映画『焼肉ドラゴン』あらすじネタバレ 小さな焼肉店の家族の絆

監督の鄭義信(チョン・ウィシン/ていよしのぶ)さんは、この映画の監督、脚本、原作を担当しています。

鄭義信さんは韓国籍ですが、兵庫県姫路市出身の劇作家、脚本家、演出家です。
同志社大学文学部を中退して、横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)美術科を卒業して、松竹で美術助手を務めた後、1987年に劇団「新宿梁山泊」を旗揚げして、座付き作家となります。

1994年、「座・寺山」で岸田國士戯曲賞を受賞して、1995年に新宿梁山泊を退団しました。

その後、邦画の脚本を担当するようになり、俳優としても数本の映画に出演しています。

あらすじ

高度経済成長と大阪万博に沸く1970年代。関西のとある地方都市で小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む夫婦・龍吉と英順は、静花、梨花、美花の3姉妹と長男・時生の6人暮らし。龍吉は戦争で故郷と左腕を奪われながらも常に明るく前向きに生きており、店内は静花の幼なじみの哲男ら常連客たちでいつも賑わっていた。強い絆で結ばれた彼らだったが、やがて時代の波が押し寄せ……。
映画.comより

キャスト&スタッフ

監督・脚本:鄭義信
原作:鄭義信「焼肉ドラゴン」
制作:森重晃 / 清水啓太郎(企画・プロデューサー)/ 江守徹(企画プロデューサー)/ 佐々木弘毅(企画プロデューサー)
制作総指揮:小西啓介(エグゼクティブプロデューサー・制作統括)/ 堀内大示 / 巌本博 / 畠中達郎 / 本間憲 / 岡田美穂 / 高橋一仁 / 岩崎アキ子 / 三宅容介 / 梅川治男 / 加茂克也(製作統括)
出演者:真木よう子 / 井上真央 / 大泉洋 / 桜庭ななみ / 大谷亮平 / ハン・ドンギュ / イム・ヒチョル / 大江晋平 / 宇野祥平 / 根岸季衣 / イ・ジョンウン / キム・サンホ 他
公開:2018年6月22日

映画『焼肉ドラゴン』解説(ネタバレあり)

金龍吉(キム・サンホ)は第二次世界大戦に従事して左腕を失い、四・三事件で故郷の済州島を追われて来日した高英順(イ・ジョンウン)と再婚します。

龍吉には長女・静花(真木よう子)と次女の梨花(井上真央)、英順は三女となる美花(桜庭ななみ)をそれぞれ連れており、二人は国有地を不法占拠した集落で焼肉店の『焼肉ドラゴン』を開業し、やがて長男の時生が生まれました。

1969年の春、『焼肉ドラゴン』の店内では、店の常連客の李哲夫(大泉洋)と梨花の結婚祝いの準備が行われました。

静花は右足を引きずりながら外に出て二人の帰りを待っています。

まず時生のナレーションから始まり、韓国人が多く住む集落で「焼肉ドラゴン」の家族は暮らしています。

彼らは日本に暮らしていますが韓国人の誇りは捨ててはいませんでした。

韓国人と日本人が暮らすこの集落はこの家族にとっては特別な場所のようで戦争が終わってやっと日本に暮らせるようになって初めての故郷のような場所です。

自転車で帰ってきた哲夫と梨花の雰囲気は最悪なものでした。
婚姻届を出しに行った区役所の職員と口論(韓国籍どという理由)になった哲夫がその場で婚姻届を破り捨てたのだった。

憤慨した梨花は哲夫の言い訳に近い言葉に耳を貸しませんでした。

険悪な雰囲気の中、それがもとで龍吉と英順の二人も喧嘩してしまいます。

静花が哲夫を謝らせて、その場はなんとか収まりました。

結婚祝いをしているお店の前にやってきた初対面の尹大樹
という韓国人を祝いだということでお店に招き入れる静花そのまま彼と付き合うことになります。

結婚したのはいいものの、なかなか定職につかない哲夫に腹をたてる梨花に喧嘩をやめるようにいう静花に突っかかる梨花。

哲夫を静花は以前に付き合っていて、その時のことを持ち出して静花に暴言を吐く梨花。

静花は大樹と出て行き、哲夫もそんな梨花を怒り、その場を出て行きます。

静花と哲夫の関係は幼い頃に遡ります。

幼馴染だった静花と哲夫は子供の頃に飛行場内に潜入、その時に二人は犬から逃げようとして静花だけが足を犬に噛まれてそれ以来彼女は足を引きずって歩かなければならなくなりました。

そのことに負い目を感じている哲夫は慰めのために梨花と付き合い結婚しましたがまだ静花のことが好きな哲夫は諦めきれずに思わず彼女に想いを伝えます。

梨花が一人でふてくされて横になっていると、常連客の呉日白がせっかく集めたうどん汁をこぼしたと泣きながら店にやってきます。

慰める梨花は日白についキスをしてしまい、そのまま二人は関係を持ってしまいます。

毎晩、遅くに帰ってくるようになった梨花に哲夫は腹をたてるが、梨花はそんなことおかまいなしに無視をします。

静花の不自由になった片足を顔でさすりながら哲夫は「好きだ」と言いますが静花は余計惨めになると思って彼のことを憤ることしかできません。
「梨花を悲しませるようなこと言わないで!」と哲夫に強くいう静花。

ナイトクラブ香蘭ではたらき、歌手を目指していた美花は支配人の長谷川(大谷亮平)と不倫関係にありました。

時生は学校でひどいいじめにあい、失語症になっていました。

冬になって、哲夫と梨花の関係も冷めきっていました。
静花と大樹が結婚を発表した日に、哲夫は大樹に食ってかかり、「俺はずっと静ちゃんが好きだった」と告白しました。

哲夫は北朝鮮への帰国事業で一緒に移住してほしいと静花に頼み込みます。

初めは拒否していた静花も必死にすがりつく哲夫を見て「どうしようもない人じゃね」と泣きながらいい、それに応じて大樹との婚約は流れてしまいます。

哲夫と大樹が酒の一気飲み対決はもともと長回しで撮るつもりはなかったが、監督が急遽長回しで撮ろうと言い出し、役者さんも頑張って酒の一気飲みをしたと聞いています。

一方、いじめで不登校になっていたトキオの留年が決まってしまいます。

いじめにあっていることを知りながらも龍吉は投稿するように説得しますが、時生は絶望して飛び降り自殺をしてしまいます。

龍吉は日本で強く生きてもらうためにあえて厳しくしましたがそれが裏目に出てしまいました。

1970年の春、長谷川は正式に離婚して、「美花と結婚させてほしい」と龍吉にお願いをします。
美花のお腹には新しい命が宿っていました。

英順は認めようとしなかったが、龍吉は長谷川に自らの過去を語り、「娘には幸せになってほしい」と言ってよろしく頼むと頭を下げます。

その後、土地の収容に訪れた役所の職員に立ち退くように言われた龍吉は「土地は買ったものだ」と主張して、「戦争に駆り出したくせに、今度は土地を奪うのか?だったら腕を返せ!時生を返せ!!」と叫ぶ龍吉。

1971年の春、「焼肉ドラゴン」の取り壊しが決まります。

哲夫と静花は北朝鮮に、日白と梨花は韓国に行くことになります。

龍吉と英順は「娘たちをお願いします」と哲夫、日白、長谷川に頭を下げます。

英順は「たとえバラバラになっても、家族は繋がっている。忘れたらアカンで」といい、手を振ってみんなを送っていきます。

最後に残った龍吉と英順・・・。

龍吉は舞い散る桜吹雪を見つめて、「ワシらを祝福してくれとる。こんな日は、昨日がどんな日であったとしても、明日を信じられる」と呟きます。

ラストシーンで龍吉と英順が立ち去った後に「焼肉ドラゴン」が取り壊されます。

まるで役目を終えたかのように……。

映画「焼肉ドラゴン」感想

題名からしてブルース・リーの「燃えよドラゴン」みたいなアクション映画かと思いましたが家族をテーマにした人情ドラマだとは思ってもみませんでした。

家族がこんなにも温かい存在だとこの映画を見て新たせて感じさせました。

そして父親役のキム・サンホさんと母親役のイ・ジョンウンさんの演技がこの作品をより温かいものにしています。

是非みなさんもこの映画を観て感動を味わってください。

それでは、また‼︎